日本人の血が騒ぐぅっ!「酉の市」
2005年 11 月27日(日)
毎年楽しみにしているイベントがある。寿司屋でカワハギの肝が食べたくなる頃。上海蟹やボジョレー・ヌーヴォーが話題になる頃。その場所に行くたびに、「今年も冬が来たなぁ・・・」と実感する。今年も新宿花園神社の「酉の市」に出かけた。今年は、お世話になったプロダクト・デザイナーのお二人と。
そう言えば去年は、一時帰国したNYCの友人夫妻とスカッシュ仲間とで一緒に出かけた。「海外からのお客様に、日本情緒を味わってもらおう!(日本人だけど)」と。・・・ところが、意外に皆初めてだと言う。あれれ?じゃぁ、私がご案内しましょう。すでに新宿通り側の入口は、すごい混雑。小さな境内に向かうわずか数メートルの狭い参道が、迷宮に向かうような怪しい雰囲気に包まれている。参道の両側には屋台が切れ目無く並ぶ。最近の屋台は、ちょとした小料理屋ぐらいのメニュー。新鮮な魚介類が並ぶ炭火焼の屋台などは、その辺の居酒屋より美味しそう。おっと、七味の屋台も良いよね。あ、こらっ!チョコバナナ、買うんじゃないよ。これからすぐ食事なんだから。
参道を抜けると、境内に出る。そこに並ぶ人の多さに圧倒されながらも、広場を彩る無数の提灯に皆の瞳が輝く。「すごいねぇ」そう、この風景。私は、これが観たくて毎年来ているようなものなのだ。葉を落とした木々、闇に浮かぶ提灯の明かり、裸電球に輝く熊手。デジカメでエキゾチックな風景を撮りまくる友人。「Oh!ワンダフォー!」・・・NYC帰りの友人の、日本人の血も騒ぐらしい。熊手を買うこともない我々は、遠くからお宮を遥拝し、熊手の店が並ぶ境内裏に向かってさらに迷い込む。毎年来ていても、この細い道を彷徨うワクワク感は、消えない。何なのだろう。この現実から遊離したような不思議な感覚は。屋台で買った缶ビールで乾杯。そして皆で記念撮影。
「楽しかったねぇ。どきどきしちゃった」「ほんと、凄いねぇ。にっぽん、って感じ」・・・ふふふふ。君たちはまだ知らない。花園神社の酉の市には、最後にもっと凄いものが待っている。看板にも「これを見ずしてお祭りを語るな!」とある。そう、“見世物小屋”。すっごいぞぉ!見たい?見たら?・・・私?良いよ。・・・遠慮しとく。前に見たし・・・。